Edmond Hamilton: AboutThis Website & Q & A

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このサイト(Edmond Hamilton Bibliography) について

 このサイトは、2004年にアメリカのSF作家エドモンド・ハミルトン(Edmond Moore Hamilton, 1904-1977)による、あるいは、かれについての作品、批評、評論を収集・整理し、書誌を作成し、掲載することである。究極の目標は、このサイトを基にして書籍形態の書誌を発行することである。作成者(ウェブマスター)は一人だが、エドモンド・ハミルトン研究会<江戸門度春海頓研究会>(通称:江戸研?)を2004年1月24日から名乗ることにする。

  現在、Edmond Hamilton Bibliography Projectは四つある。このEdmond Moore Hamilton Bibliographyと、アメリカ合衆国のLarry J. EstepによるEdmond HamiltonRichard Gombertによる冊子体書誌(Borgo Pressから出版予定だったが、版元消滅でどうなるか)、及び、Mike Chomkoによるものである。

 当サイトは、主として英語以外の文献を扱う(英語に関してはLaryy J. Estepによる優秀な書誌ウェブサイトが存在するからである)。当サイトでは、判明している出版情報に関しては全て掲載する予定である。また、所有している出版物(図書・雑誌・ビデオ・CD・DVD等全ての表紙画像を展示する予定である。所有していないものに関して表紙画像を他サイトから借りてくるものもあるが、その場合は出所を明記する。但し、挿絵の展示は著作権を侵害する行為であるので行わない。

当プロジェクトは、Hamiltonの作品を語ることより、出版情報の記録に重きを置く。粗筋程度は扱うが作品批評は行わない(半世紀以上も前の作品を真面目に批評するのは無理があるでしょう)。

 書誌とは別に画像図書館を作成する予定がある。その図書館(Edmond Hamilton Library)の名誉館長には、ハミルトンの古くからの親友、SF作家、そして大学教授のJack Williamson (ジャック・ウィリアムスン)氏を迎えた。

 サイトは、ハミルトンのオフィシャル・サイトではない(念の為)。

 当ホームページを閲覧されて、著作権・肖像権侵害の恐れがある項目を発見された場合は、ご面倒でもご連絡下さい。

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 2004年は、ハミルトンの生誕100周年記念の年となる・・・と言うわけで、このサイトを2001年から作り始めて3年が経過した。途中、PCの暴走でページ間のリンクがぶっ壊れるトラブルに襲われたり、ウェブマスター自身が興味を失ったりもした。

 しかし、2004年に入ってから、2月のハミルトンの新短編集や8月のキャプテン・フューチャー復刊等が予告され、少しやる気が復活してきた。と言うわけで、取り敢えずトップページを1月24日に作り直したけど、失敗だな、こりゃ。書籍形態の書誌も無理かもね。誰か発表場所を紹介して!!

 ウェブマスター、江戸研について自己紹介すると、SF業界人でも、ファンダム出身者でもない、単独で行動している研究者?、いやただの暇人である。

 

Edmond Hamilton Libraryについて

 
  当サイトの目標が、Edmond Moore Hamilton(エドモンド・ハミルトン)による、あるいは、彼についての作品、批評、評論を収集・整理し、書誌を作成することなので、なるべく一次資料を集めることにした。ただ、本国アメリカの資料を集めるのは金銭的に無理なので、日本語と英語以外の言語に絞って収集することにした。言語毎の収集率は、

 日本語70%、英語70%、ドイツ語90%、フランス語95%、イタリア語80%、スウェーデン語70%、ロシア語10%である。

 多分、これぐらいハミルトンのコレクションが揃っているのは、ハミルトンの遺稿や旧蔵書が収められているEastern New Mexico University SF Golden Libraryぐらいであろうか・・・、と言っても世の中に何の役にも立たないトリビア度の高いコレクションである。

 

 

 
エドモンド・ハミルトンとはどのような作家ですか?

 一言で言えば、アメリカのSF作家で、最も典型的なスペースオペラ作家です。

しかし、スペース・オペラの大家だけということでは語れない何かが、ハミルトンにはある、というのが最近の定説!です。

ハミルトンのどのくらい作品を書いたのですか?

 実際の作品数は分かりません。現在判明しているのは、小説の277作品とコミック原作の314作品です。調査が進めば、あと数作品増えるかもしれません。

 ところで、何故はっきりとした数が分からないかというのは、ハミルトンの存命中にアメリカ本国できちんとした書誌が作成されなかったことに起因します。実際、彼の存命中何度か書誌の試みはなされました。どれも当時のものとしては優秀なものでしたが(インターネットも、書誌ツールも充実していなかったことを考えなくてなりません)、ハミルトンがSFだけでなく、ホラー、ファンタジー、ミステリーと数ジャンルの作品を執筆していたことと、馴染みの薄いペンネームでの執筆もあり、何かしら欠落していました。もし、彼の存命中に、書誌研究家と二人三脚の書誌作成がなされていれば、彼が亡くなってから20年以上も経つのに、これ程作品の数の確定に苦しむこともなかったでしょう。

 1986年に、Gordon Benson Jr.という書誌研究家が、彼とその妻のリイ・ブラケットの書誌を完成しました。その後、二度の改訂され、ほぼ完璧な書誌ができあがりました。Bensonは多くのSF作家の書誌を作成しましたが、その調査方法は書誌ツールの利用だけでなく、パルプ雑誌などの一次資料の収集でした。Bensonの家は風呂場までパルプ雑誌に埋もれていたという話しを聞きましたが恐らく本当のことなのでしょう。しかし、Bensonの書誌でさえ完全でないところが奥の深いところ。Leonard A. Robbinsという人が編集したPulp Magazine Index (1989-1991)により、Bensonが調べ得なかった作品が判明しました。現在では、アメリカ本国の書誌研究家が、彼の書簡を読むことにより未知の作品を探す作業に入っています。

 日本でも最近判明した作品があります。ある方から頂いたメールを紹介します。

「1950年代のハミルトン翻訳ですが、「整形外科手術」(西田政治訳)<探偵倶楽部>8(10):1957年10月というものがあります。ただし本文の著者表記はエドモンド・スミルトン
スミルトンなどという作家は聞いた事が無い、及び目次ではハミルトンと表記されていることから、「ス」は誤植であると判断しました。

 記憶はあやふやですが、大まかな内容は「犯罪者が医者を監禁して整形手術を要求、医者は医者本人そっくりに犯人の顔を変えてその意図をくじく」というもの。

当時、ハミルトンの探偵小説のリストを調べて、内容からFace to FaceもしくはThe Murder in the Clinicあたりが怪しいのではと思ったものの調べがつかなかったので、**
さんに聞けば何かわかるかなと愚考しておった次第です。

ちなみに現物は池袋のミステリー文学資料館で読めるはずです。」

 最後に、ハミルトンはとても几帳面な性格の人だったらしく、ファイルを作って自分の作品を管理していたそうです。このファイルが彼の遺稿等が収められているEastern New Mexico University Libraryに残っているかどうかは分かりませんが、これを見れば、彼の実際の作品数がすぐに判明するかもしれません。しかし、これは最後の手段でしょう。まあ、ハミルトンの作品数が分かったからと言って別に何の意味もないのでゆっくりやるのがよろしいでしょう。しかし、ジャック・ウィリアムスンさんが死なないうちに何とかせねば・・・。

 

代表作は何ですか?

 日本では、「ハミルトン=キャプテン・フューチャー」となっていますが、欧米では「スター・キング」や「スターウルフ」が彼の代表作となっています。 

最初に読むとすればどの作品がいいですか?

 まず入手しやすさから、創元SF文庫の『スターキング』がいいと思います。どこかで読んだ話しのようにも思えますが、これなら現在の小説の水準に十分に達しています。

キャプテン・フューチャーについて教えてください!

 

キャプテン・フューチャーの原型になった作品は何ですか?

 キャプテン・フューチャーの原型とも言える作品は、Startling Storiesの1940年1月号に掲載された”The Three Planeteers”のようです。この作品は、地球人、金星人、水星人の3人が太陽系を股に掛けて活躍するという大胆なスペース・オペラだそうです。”The Three Planeteers”という原題ですが、勘がいい人ならば、これはデュマの三銃士”The Three Musketeers”から拝借したものとすぐに分かるでしょう。”The Three Planeteers”をあえて訳すとすれば、「太陽系三銃士」となるでしょう。三銃士をベースにした作品で訳されたものといえばジャック・ウィリアムスンの宇宙軍団シリーズがあります。eBayでこの作品が掲載されたStartling Storiesが最近売りに出されたので買えばよかった。
 なのでキャプテン・フューチャーは、オットー、グラッグ、サイモン・ライトの三人(三銃士)が、ダルタニャンと言うべきキャプテン・フューチャーを助ける作品と言えなくはありません。CFの人物設定は三銃士ですが、舞台の方はCF誌の姉妹誌である探偵雑誌Phantom Detectiveから借りてきたようです。主人公の出動要請に摩天楼の信号を点灯するという設定は、CFでは北極の信号灯を点灯するというように使用されています。
 CFの初期設定については、『惑星壊滅サービス』(創元推理文庫SF 1987)という作品の巻末に、山本孝一さんが書かれた「ハミルトン・ファンのためにとっておきの話しをひとつ」に確か載っていた、と思う。
 また、「スターキング」の原型は、国王の替え玉となる物語「ゼンダ城の虜」The Prisoner of Zendaをベースにしています。ハミルトンはスターキングの前に、The Prisoner of Mars(単行本Tharkol, Lord of the Unknown)という作品も書いています。
 キャプテン・フューチャーが英雄カフールの替え玉になる「惑星タラスト救出せよ!」という作品は、三銃士の話しに、替玉物語を盛り込んだ話と思えなくはありません。

 原型作品があるとは言え、ハミルトンさんがCFを書いたからこそ現在まで読み継がれているのでしょう。

フューチャーメンって何ですか?

 キャプテン・フューチャーを助ける、生きている脳のサイモン・ライト、プラスティック製合成アンドロイドのオットー、そして、全鋼鉄製ロボットのグラッグの3人(?)のことだった、と思います(キャプテン・フューチャー入れないと思ったが・・・)。3人の詳細な紹介は次のホームページでなされていますので、そちらを参照されるとよいでしょう。

   チコクレーターでの気ままな日々 (http://www001.upp.so-net.ne.jp/comet5/)

 さて、ここで問題。キャプテン・フューチャー(カーティス・ニュートン)とフューチャーメンの生まれた順番を並べよ!。サイモン・ライトが一番年上なのは確かだが、カーティス、オットー、グラッグの順番は迷うところである。1990年に行われた宇宙軍によるキャプテン・フューチャー生誕記念コンベンションの「CF・コン」では秋葉原に何かの部品を買いに来たグラッグとオットーのもとに、ロジャー・ニュートンからカーティスが生まれたと連絡が入ったはず・・・。

 しかし、第1作の『恐怖の宇宙帝王』を読み直すと、カーティス、グラッグ、オットーの順番なのである。しかし、そうなると、『宇宙囚人船の反乱』のグラッグの名せりふ、

 「サイモンを死なせてたまるか!」(中略)「かれとオットーとおれの命はひとつなんだ!キャプテン、あなたが生まれるより前からのつきあいですぜ!」は一体全体・・・。

 シリーズが進むうちに、ハミルトンも登場人物の生まれた順番を忘れてしまった、ということなのだろう。

キャプテン・フューチャーが負けたことがあると噂に聞きましたが・・・

 本当です。キャプテン・フューチャーと言えば連戦連勝のチャンピオン。そんな話しは本編27作のどれを読んでもありません。それではどこに出てくるかと言えば、「キャプテン・フューチャー」誌には本編以外に、本編に出てくる登場人物を紹介する"The Worlds of Tomorrow"と舞台となる太陽系世界を紹介する"The Futuremen"というコラムが連載されていました。

 キャプテン・フューチャーが打ち負かされる話しは、『惑星タラスト救出せよ!』(1942年秋号)のThe Futuremenに掲載されました。タイトルは、"Captain Future Trails the Chameleon"です。どんな話しかと言うと・・・。それは次の機会にしましょう(と言ってあるのだろうか?)。

 両コラム"The Worlds of Tomorrow"と"The Futuremen"のタイトルを紹介しておきます。第18〜20作はStartling Stories誌掲載です。日本では長編の最後は『ラジウム怪盗団現わる!』となっていますが、実際はウェルマンの『小惑星要塞を粉砕せよ!』です。何でこうなったのでしょうか?

No.  タイトル 掲載号 The Futuremen The Worlds of Tomorrow
1 恐怖の宇宙帝王 1940 冬 The Metal Robot Jupiter
2 暗黒星大接近! 1940 春   Pluto
3 挑戦!嵐の海底都市 1940 夏 The Synthetic Man Neptune
4 脅威!不死密売団 1940 秋 The Living Brain Saturn
5 太陽系七つの秘宝 1941 冬 Marshal Ezra Gurney Mars
6 謎の宇宙船強奪団 1941 春 Joan Randall Mercury
7 透明惑星危機一髪! 1941 夏   Uranus
8 時のロストワールド 1941 秋 The Comet Venus
9 輝く星々のかなたへ! 1942 冬 The Moon Laboratory The Moon
10 月世界の無法者 1942 春 Captain Future's Boyhood Eros
11 彗星王の陰謀 1942 夏 How Curt Newton Became CF The Earth
12 惑星タラスト救出せよ! 1942 秋 CF Trails the Chameleon Moons of Mars
13 宇宙囚人船の反乱 1943 冬 The Puzzling Case of the Space Queen The Pirates' Planet
14 異次元進行軍迫る! 1943 春 The Birth of Grag The Twin Planets
15 人工進化の秘密! 1943 夏 CF's Strangest Adventure Deneb, the Mystery Star
16 魔法の月の決闘 1944 冬 The Metamorphosis of Simon Wright The Sun
17 フューチャーメン暗殺計画 1944 春 The Amazing Creation of Otho Futuria
18 危機を呼ぶ赤い太陽 1945 春 Oog, the Moon-Mimic Roo, the World of Arkar
19 ラジウム怪盗団現わる! 1946 冬 Grag's Pet, the Moon-Pup Vulcan, the Hollow World
20 小惑星要塞を粉砕せよ! 1946 秋    Sinon, the Invador World

 1942年夏号に掲載された"How Curt Newton Became Captain Future"には、数作に名前だけ出てきた権力大王or権力帝王(Lords of Power"が登場します。キャプテン・フューチャー本編の翻訳は15年以上も前に終了しているが、これらのコラムが翻訳されない限り、キャプテン・フューチャーの話はまだ終わらない。個人的には、本編を復刊させるよりは、短編7作とこれらコラムの翻訳を1冊にまとめた文庫でも新書でもいいから短編集として出してくれ!

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 友人から借りた「SFマガジン」1962年11月号掲載の「さいはての星」Forgotten Worldを読んだ。実は、この小説にはキャプテン・フューチャーで御馴染みの名前が見つけられる。時は西暦四千年。アルデバラン生れの主人公は宇宙神経衰弱の治療のため地球を訪れる。地球は忘れ去られた荒廃した星となっていた。
 主人公が居候した家の老人の母は何とゴーハム・ジョンソン直系の子孫!。主人公が散歩で出かけて見つけた宇宙空港の記念碑には宇宙開拓者の名前が刻まれていた。
  ゴーハム・ジョンソン 1991
  マーク・カーリュウ  1998
  ジャン・ウェンチ   2006
  ジョーン・ノース   2012
この小説には水星の昼地帯が出てきたり、太陽から銅を得るとかなど、キャプテン・フューチャーで御馴染みの世界が展開されている。おまけに主人公の名前はカーリン。

 「さいはての星」は「Captain Future」誌と「Startling Stories」誌の姉妹誌「Thrilling Wonder Stories」1946年冬号に掲載された。話しの内容は、キャプテン・フューチャー第26作の「もう地球人では・・・・・・」に近い印象。この話しに出てくる主人公はカーリーも宇宙港の宇宙開拓者の記念碑を見上げるシーンがある。

 河出書房版『フェッセンデンの宇宙』に収録された短編「太陽の炎」とCF第22作の「太陽の子供たち」とは作品背景に類似性がある。

 探せば、キャプテン・フューチャーの世界の延長線上にある話しがまだまだありそう。

 

第一作『恐怖の宇宙帝王』に幻の第一章と第二章があると聞きましたが・・・

 存在します。

 『恐怖の宇宙帝王』の始まりを思い出して下さい。登場人物や物語の背景など長ったらしい説明を全くなしに、いきなり緊迫感のある場面から物語は始まります。しかし、私たちがよく知るその始まりとは別の第1章と第2章があるのです。それは、ロバート・ワインバーグという有名なSF書誌研究家が編集していた「Pulp」というファンジンの第3号(1971年夏号)に掲載されました。ちょっと訳してみましょうか。

 第1章 避難 ・・・ 

 キャプテン・フューチャーの名前と名声は老若男女あまねく知られている。歴史における最も驚くべき冒険のなかでその法外な功績は永遠に語り継がれていくことだろう。しかし、今でさえ、キャプテン・フューチャーのすさまじい経歴がどのような奇妙な始まりの話しを完全に知るものはほとんどいない。若い生物学者の大切な夢がそのすべての始まりだった、と思う人はほとんどいない。ロジャー・ニュートンは生命創造を夢見ていた・・・

(以下略。月に行き → カーティス誕生 → グラッグとオットー誕生 → ヴィクター・カスラン(当初はコルボでなかったらしい)が月を急襲と話しは続く)。

 原稿を読んだ、「キャプテン・フューチャー」誌の編集長のレオ・マーグーリーズはこの始まりが気に入らず、ハミルトンに最初の2章の書き直しを命じました。現在、我々が読むことができる最初の2章は差し替えられたもので、旧第1章と第2章は新第2章に圧縮されました。ハミルトンはこの命令にしぶしぶ従ったものの、今となってはこの差し替えは大成功だったと考えられます。『恐怖の宇宙帝王』が「キャプテン・フューチャー」誌に発表されてすぐに、S・J・ペレルマンという批評家が、大変権威のある文芸雑誌「ニューヨーカー」1940年1月20日号に好意的な批評を寄せています(物語の始まりを賞賛している)。当時、パルプ雑誌の主人公が文芸雑誌に取りあげられるのは空前絶後のことです。

 ところで、「パルプ」第3号には、編集者たちがハミルトンに提示したキャプテン・フューチャーの最初の設定、巨大な脳と頭脳を持った小男の「科学の魔術師」ミスター・フューチャー、テレパシー制御のプラスティック・ロボット、人間記憶庫の中年男性・サイモン・ライト、指輪の考える宝石・オットー。さすがにハミルトンもこの設定を拒絶!。また、『恐怖の宇宙帝王』の原"Captain Future and the Space Emperor"は"The Horror on Jupiter"だったが、編集者達はハミルトンに無断でタイトルの変更を行った・・・。語られざるキャプテン・フューチャーの裏側を知る第一級資料であろう。幸いなことに、この文章はLarry J. Estepのハミルトン書誌ページトで読むことができる。是非一読あれ!

  An inside look at Captain Future,” in: Pulp, Vol. 1, no. 3 (Summer 1971), pp. 3-27.

 

ブレット・スターリングとは誰のことですか?

 ブレット・スターリング(Brett Starling)は、Standard Magazine社(あるいはBetter社)のハウスネーム(出版社所有のペンネーム)です。日本では以下の作品は、ハミルトンとジョセフ・サマクソンの共作ということになっています。

No. 原題 邦題 掲載誌 年号
14 Worlds to Come 異次元進行軍迫る! Captain Future 1943 春
15 The Star of Dread  人工進化の秘密! Captain Future 1943 夏
16 Magic Moon 魔法の月の決闘 Captain Future 1944 冬
17 Days of Creation  フューチャーメン暗殺計画 Captain Future 1944 春
18 Red Sun of Danger 危機を呼ぶ赤い太陽 Startling Stories 1945 春

 これらの作品を読んで違和感を感じられた作品が二つあるのではないかと思います。何か違う・・・。そう、『異次元進行軍迫る!』と『フューチャーメン暗殺計画』の2作品はハミルトンの作品ではありません。これらはジョセフ・サマクソン(ペンネームはウィリアム・モリソン)によって書かれました。ハミルトンが第12作の『人工進化の秘密!』を執筆中に日本軍による真珠湾攻撃が勃発、ハミルトンは独身だったため自ら兵役志願の徴募に応じる決心をしました。その決心を伝えられた出版社は、ハミルトンの代行作家を立てることにした。しかし、兵役志願の申請は、彼が高齢(38歳)だったということから却下されてしまう。却下を聞いた出版社は彼を仕事に戻そうとしたが、彼に既に別の予定があったため断念。3作品を彼以外の作家に発注した。その作家の作品はブレット・スターリングという名義が使われることになり、ハミルトンもその名義を使うことになった。第20作の『小惑星要塞を粉砕せよ!』は、何故かスターリングではなく、ウェルマン本人名義で発表された。

 サマクソンはイエール大学で化学の博士号を持つ科学者。彼は科学記者として活躍していた1940年代初めからSF作品をモリソン名義で投稿しはじめた。その彼が何故ハミルトンの代行作家になったかは詳細不明。彼が書いた作品の一つに"Two Worlds to Save" (Startling Stories, Sept. 1942)があるが、「スタートリング誌の中でプロット、文体共に史上最悪の作品」との評価がある。戦中で才能豊かな作家が従軍してしまったから、彼に白羽の矢が立ったのか?。「キャプテン・フューチャー」誌の投書を見ても大部分が彼の作品に疑問を投げかけている。

 このブレット・スターリングが誰か、という問題に興味を持つ人は書かれた当時から存在し、戦後「スタートリング・ストーリーズ」誌1951年5月号に、編集者がスターリングの正体を暴露している。が、作品数は間違えるは(『ラジウム怪盗団現わる!』をカウントしなかった)、第14作から18作まですべてモリソンが執筆したとするは、本当に大丈夫か、と思える暴露だった。

 あと、面白いエピソードとして、ハミルトンは『ラジウム怪盗団現わる!』にはキャプテン・フューチャーが記憶喪失になるというプロットを考えて、編集者に伝えた。しかし、『フューチャーメン暗殺計画』が掲載された「キャプテン・フューチャー」誌を見てハミルトンは愕然とする。これもキャプテン・フューチャーが記憶喪失になるという話しだった・・・。

  

翻訳者・野田昌宏さんがCFで大誤訳をやらかしていると噂に聞きましたが・・・

  翻訳という作業は直訳ではなく、原文が持つニュアンスを理解し、それをいかにうまく日本語に変換するかにかかっています。野田さんの野田節と言われる血湧き肉躍るその訳文にはまると思わずその小説の世界に引き込まれてしまいます。例えば、『SF英雄群像』であれだけ面白く感じられるレンズマンやスカイラークが、著名な英文学者の手にかかると、これは本当に同じ話しかと違和感を持たれた人もいるでしょう。また、深町眞理子さんの手にかかると、無茶苦茶な筈の星間パトロールが何と高貴で高潔な話しになってしまうことか。そう、スペース・オペラが面白くなるかどうかは翻訳者次第・・・。と、前置きが長くなってしまいました。

 誤訳は後にして、サービス精神旺盛の野田さんの訳文の一例を紹介してみましょう。第5作『太陽系七つの秘宝』の第二章の最初の方の部分を抜き出すと、

 原文: ... In the same year, Curt was born. But Victor Corbo had followed them to the Moon. He killed Curt's parent's before he was himself killed by Otho and Grag. Curt Newton had been reared in the strange home by the Brain, the robot and the synthetic android... 

 訳文: ... そしてその年には、ロジャー・ニュートンとその妻の愛の結晶、つまりカーティス・ニュートンもこの世に生まれたのである。しかし、そのしあわせも長くはつづかなかった。ロジャー・ニュートンの研究を狙うヴィクター・コルボの魔手は、ついに月にまで伸びて、研究を守ろうとする夫妻は無残にも殺されてしまったのである。ちょうど幼いカーティスを散歩につれてでていたグラッグたちが、変事に気づいたときはもうあとのまつり。逃げ出したコルボ一味を追いかけて、一人のこらず退治して仇をとったものの、夫妻の命は帰らない。一時は本当に途方にくれてしまったかれらだが、サイモン・ライトにはげまされたオットーとグラッグは、サイモンと力を合わせ、夫妻の忘れ形見カーティス・ニュートンの養育にはげんだのだった...(新装版21ページ)

 さて、誤訳ですが、エズラ・ガーニーの兄ファルコンの本名は何だったでしょうか。CFを読み込んでいる人はラン・ラーシと答えるでしょう。しかし、ラン・ラーシとファルコンは同一人物ではないのです。『ラジウム怪盗団現わる!』の103ページ、

 「それから<はやぶさ>(ファルコン)のラン・ラーシ、悲痛な思いを抱いて実弟を追ってきた兄エズラ・ガーニとの決闘によって倒されたあの大物海賊も歌った。」 

 原文: Lan Rahsi, "the Butcher," had sung it, and so too had that fabulous young Earthman corsair who had been Ezra Gurney's younger brother, and whom long ago Ezra had grimly tracked down and dueled to death in space. 

 一見した所では、「ブッチャー」という言葉が省略はされてはいるがまあ間違いないかという印象がある。しかし、「キャプテン・フューチャー」誌1943年冬号『宇宙囚人船の反乱』掲載コラムThe Worlds of Tomorrowの"The Pirates' Planet" (Pallas)の一文を読むと訳が分からなくなる。

 "The leader this time was the so-called "The Butcher of Mars." He was a Martian named Lan Rahsh, and he was the most bestial in his cruelties of any corsair ever to rocket the void"

 やはり、ファルコン=ラン・ラーシではない。野田さんにはかなり前に伝えたが、復刊時に訂正されるのだろうか?訂正されないと、エズラの家族関係がおかしいままになってしまうのだが・・・

アニメ版のキャプテン・フューチャーがあると聞きましたが・・・

 

原書のキャプテン・フューチャー誌はどうしたら入手できますか?

 入手するのは可能ですが、入手した場合、むしろパルプと呼ばれる粗悪な紙に印刷されている関係上、保存を第一義に考える必要があります。「キャプテン・フューチャー」誌は、1940年の冬(1月頃?)から1944年春まで、第二次世界大戦による紙不足のため休刊になるまで都合17冊発行されました。創刊号発売から既に60年以上経過しています。

 野田昌宏さんのコラムを読むと、(うろ覚えで申し訳ないが)40年程前に悪名高きSF古書ディーラーのジュリアス・アンガーから目も飛び出る程の価格でキャプテン・フューチャー誌のほぼフルセットで購入したと書かれています。宇宙軍が開催したカーティス・ニュートン誕生記念大会CFコン1990で、「キャプテン・フューチャー」誌は入手不可能と言われるが、意外に安く売っている」と誰かが発言されました。その言葉に触発されて私はキャプテン・フューチャー誌を集めてみようと考えました。入手に当たっては、専門業者にお願いしたのですが、かなりのお金(1冊最低5,000円ぐらいだったか)を払ったと記憶しています。しかし、その甲斐あって手元にあるのは本当に美本ばかりでした。

 今回この項目を書くために古書総合目録BookFinder.comPandora's Booksを検索してみたのですが、なかなかヒットしませんでした。わずか、1940年春号が50ドルで売られているものしか見つけられませんでした。しかし、インターネットが普及し出した頃、1997年か、1998年だったか、「キャプテン・フューチャー」誌は確か、程度を気にしなければ、各タイトル10ドルぐらいで売られていたと思うのですが・・・。インターネット時代以前はコレクターからコレクターへと十年単位で雑誌は移動していたと思うのですが、インターネットにより雑誌・古書のコレクションの移動は加速されました。もしかすると、「キャプテン・フューチャー」誌の所有者の大移動は前世紀に終了してしまったのかもしれません。話しは飛ぶが、オークションサイトで数冊見かけたような気も・・・。投機目当てで買っている輩もいるのでしょう。

 とは言え、前述したようにコレクションの移動はインターネットにより加速されていますので、思わぬところで「キャプテン・フューチャー」誌を入手する機会がないとは言えません。

スターキング・シリーズについて教えてください!

 

スターキングの原型になった作品は何ですか?

 「スターキング」の原型は、主人公が国王の替え玉となる物語「ゼンダ城の虜」The Prisoner of Zendaです。ハミルトンはスターキングの前に、The Prisoner of Mars(単行本Tharkol, Lord of the Unknown)という作品も書いています。

スターウルフ・シリーズについて教えてください!

 

 

 

 原型について。 「スターウルフ」のストーリーはよく考えるとかなりステレオタイプですね。剣や銃に自信がある主人公が、ある出来事をきっかけに所属する団体から追われる身となる。逃亡の果てにある集団に属することになるが、曰くありげな彼を周りは胡散臭い目で見る。ただ、彼の正体を何故か知っているリーダーは彼を温かく迎え入れる。以後、集団の中で能力を発揮した彼は新たなリーダーとなっていく(もしくは、敵を返り討ちにした彼は人知れず集団から去っていく)。

 こんな仁侠映画みたいな話しはどこにでもあるのですが、「スターウルフ」の原型は西部劇なのかな?。いやこの手の話しは(あるかは分からないが)神話や伝説にもありそう。野田昌宏さんなら知っているかもしれません。 いや難しい・・・。

 

スターウルフの第4作があると聞きましたが・・・

  存在しますが、完成しなかったので出版に至りませんでした。

 この話しは、「SFマガジン」1977年8月号のハミルトン追悼特集で、リイ・ブラケットの追悼文「夫を偲ぶ」にもチラリと出てきます。その文章を抜き出すと、

「かれはその(註:スターウルフ・シリーズ)第4作目にもとりかかっていたのですが、完成しませんでした。そのときのプロットでは、たとえ完成しても、このシリーズが竜頭蛇尾におわってしまうことになる−と考えたのがその理由のひとつだったようです」

 その話しを裏付けるように、ハミルトンの遺稿等が収められているEastern New Mexico University Libraryにその草稿が残っています。それによると、タイトルは"Run Starwolf"(走れスターウルフ?)で、第1章から10章までは完成(?)、それ以降(16章まで)はシノプスだそうです。枚数にすると113枚だということです。出版される可能性は全くないと思いますが、新作として読めるその日まで楽しみに待ちましょう。

実写版のスターウルフがあると聞きましたが・・・

 200X年、地球はバルナ星人の襲来を受けた。次々と都市が破壊されていく情景からドラマが始まる。そのバルナ星人の一人スターウルフは無邪気な子どもを殺そうとした同僚を制止、それが裏切り行為と見られて、逆に仲間から殺されそうになる。

 これは「読売新聞」1978年4月2日(日)からの新番組紹介から。製作はあの円谷プロ!。全24話作られ、途中からハードなドラマからヒーローっぽいものに路線変更された。実は、管理人はリアルタイムで「スターウルフ」(日テレ)を見たことがない。子供心に「スターウォーズ」の2番煎じと映ったことと、なぜ宍戸錠と高橋長英の二人の名優が子供番組に出るの・・・?と思った。当日の新聞を見て、TBSは「アップダウンクイズ」、フジは「SF西遊記スタージンガー(新番組)」、テレ朝が「メロディアタック」、東京12は「ヤンヤン歌うスタジオ」だった。恐らく「ヤンヤン歌うスタジオ」をその後ずっと見ていたと思う。
 その後1990年初頭にLDボックスが出るのだが、高額だったため購入せず。1997年頃だったか、アメリカから「Alien Fugutive」というアメリカ版スターウルフで初めてその映像を見た。その時の印象は20数年前の作品にしては特撮は見られるレベルにあるな、ぐらいか。その後、CSのファミリー劇場で全話一挙放送というのがあったので録画したが、その一部しか見ていない。はっきり言って語れるほど見ていないので御免なさい。1978年4月2日の読売新聞の記事を紹介して終わりにさせてください。

「巧みで質の良いSF特撮: テレビ映画のSF特撮ものといえば、安っぽいという言葉の代名詞の感があった。切りつめた製作費と日数で仕上げていくのでやむを得ない面もあるのだが、製作者がキチンとした視野、姿勢で作れば質のいい作品が出来上がる−そんな一例を残したドラマといえる」 さすが円谷プロ!!

 

スターウルフの続編がロシアで書かれていると聞きましたが・・・

 嘘みたいな話しですが実際に書かれています。

 ロシアの翻訳家兼作家のセルゲイ・スヒノフ(Сергей СУХИНОВ)という人物が、1998年から11作品を執筆しており、ロシアの大出版社エクスモ・プレス(ЭКСМО-Пресс)から出版されています。作品一覧は以下の通りだが、驚くことに第6作目と7作目は、「スターウルフ対スターキング」!どんな話しだろう。ロシア語の読める人、誰か訳して!!。表紙画像はこちらにあります。最新作Lonely wolf Morgan Cheinはロシア最大のネット書店Ozonにリンクしてあります。

  Odisseja the Star Wolf, 1998
    1. Trap for Starwolf
    2. Odisseja the Star Wolf
    3. War of Starwolves
  Patrol of Star Wolves, 1999
    4. Gorge of the Lost Ships
    5. Star Klondike
  Star wolves against star kings, 2000 
    6. The knight of an award llornov
    7. The worlds from the future
  8. The knight of award Llornov, 2001
  9. Worlds from the future, 2001
    Lonely wolf Morgan Chejn, 2001
        10. Lonely wolf Morgan Chejn
        11. The fury of starry wolf 

 スヒノフという人物は、ソ連邦が民主化に移行し始めた頃(1988年)から、SF、特にハミルトンの作品を中心に翻訳しており、このスターウルフを余程気に入ったのか続編まで書き始めてしまった。スヒノフの著作&翻訳作品一覧はこちら

どの国にも、必ずハミルトンに魅入られた翻訳者がおり、日本の野田昌宏、イタリアのUgo Malaguti(翻訳者兼編集者)、フランスのJacques Sadoul (この人は編集者)、スウェーデンのBertil Falk(ジャーナリスト兼翻訳者)等が挙げられる。ところで、エクスモ・プレスは、日本で言えば講談社のような出版社みたいだから、著作権者を無視して続編を書いているのは考えにくい。日本で、野田昌宏氏が続編を書きたいと常々言っていたが、先を越されてしまったことになります。

星間パトロール・シリーズの作品数に誤りがあると聞きましたが・・・

 まるで、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」や映画「インデペンス・デイ」を彷彿させるような壮大なストーリー(何故数千万光年の彼方から地球目指して遠征してくるのか・・・。思わずツッコミを入れてしまう)、が展開される(無茶苦茶な)星間パトロール・シリーズは、日本では全7編となっていますが、実際にはもう1作品あり、全8編が正確な作品数です。但し、SF書誌研究家のRobert Weinbergのように、「激突する太陽」は太陽系八星連合(発表当時冥王星は発見されていなかった)が、銀河連合に参加する前なので、星間パトロール・シリーズにこの作品を入れるべきでないと主張する人もいます。作品リストは以下の通りです。全編、「Weird Tales」誌に掲載されました。

No. 発表年月 原題 邦題
1 1928.8〜9 Crashing Suns 激突する太陽 (ハヤカワ文庫SF53)
2 1929.2 The Star-Stealers 太陽強奪 (ハヤカワ文庫SF53)
3 1929.5 Within the Nebula 星雲のなかで (ハヤカワ文庫SF53)
4 1929.7〜10 Outside the Universe 銀河大戦 (ハヤカワ文庫SF15)
5 1930.2 The Comet-Drivers 彗星を駆るもの (ハヤカワ文庫SF53)
6 1930.5 The Sun People  
7 1930.11 The Cosmic Cloud 宇宙の暗雲 (ハヤカワ文庫SF53)
8 1934.4 Corsairs of Cosmos  

 "Corsairs of Cosmos"(宇宙の海賊)だけ、発表年が離れてしまっていたことと、単行本に収録されなかったことから、日本では誤った作品数で周知されることになってしまいました。この作品数の誤りを認識しているのは、私と今この文章を読んでいるあなただけ、ということになります。とは言え、知っていても何の得にもなりませんが・・・。

 近い将来、Haffner Pressから全8作品を収録した作品集が発行される予定です。

 

どこでハミルトンの作品が買えますか?

 新刊書店で買えます、と言いたいところですが、現在、新刊書店の棚に並んでいるのは2001年の10月に復刊となった創元SF文庫のスター・キング・シリーズ2冊だけです。現在入手可能な書籍が検索できるBooks.or.jpでは11冊入手可能となっていますが、実際には新刊書店で購入できるのは以下の8冊だけのようです(取り寄せ含む。また*は店頭在庫のみ)。

  1. さすらいのスターウルフ (ハヤカワ文庫SF1)*
  2. さいはてのスターウルフ (ハヤカワ文庫SF29)*
  3. 望郷のスターウルフ (ハヤカワ文庫SF46)*
  4. スター・キング (創元SF文庫)
  5. スター・キングへの帰還 (創元SF文庫)
  6. 滅びの星 (久保書店SFノベルズ) 
  7. 宇宙艦隊の奇襲 (久保書店SFノベルズ) 
  8. 最後の惑星船の謎 (久保書店QTブックス)

 新刊書店で購入できない本は古本屋を当ることになります。日本でのハミルトンの出版状況はこちらにあります。一昔前なら古本屋巡りというのが唯一の手段でしたが、現在ではインターネット古書店を利用する手もあります。古書店総合在庫目録のスーパー源氏をまず検索してみましょう。

 キャプテン・フューチャー・シリーズは、長編が掲載されたSFシリーズや文庫の初期もの(アニメが放送されていた頃に出版されていたもの)は印刷部数が結構多いのですぐに見つかるでしょう。後期の数冊は印刷部数が少ないようなので見つかるかは運次第です(と、書きましたが、私個人の経験では『脅威!不死密売団』を古書店であまり見かけたことがないような気がします)。また、短編「鉄の神経お許しを」が掲載された『太陽系無宿』(ハヤカワ文庫SF49)と「SFマガジン」誌1982年7月号臨時増刊『キャプテン・フューチャー・ハンドブック』は余程の運がないと見つけられないでしょう。他の本で見つけにくいものには、ジュブナイル向けの叢書に入ったもの、短編集『フェッセンデンの宇宙』(ハヤカワSFシリーズ3296)や『太陽破壊者』(日本文芸社)等が挙げられます。

 価格は、キャプテン・フューチャー・シリーズ、スターウルフ・シリーズ、スター・キング・シリーズ、星間パトロールはインターネット価格は300円〜1,000円、リアル古書店では300円〜700円ぐらい、新古書店では100円〜300円ぐらいで販売されています。

 また、復刊ドットコムでCFの復刊希望者が100人を越えたので、東京創元社から復刊されることになりました。

翻訳者・野田昌宏さんに会いたいのですが・・・

 ウェッブマスター自身は、野田昌宏さんにファンレターを数度出して返事をいただいたことはあるのですが、残念ながら「会わせろ」と言われてすぐに会わせられるだけの間柄ではありません。野田昌宏さんには仮運用中の公式ホームページがあったと思うのですがアクセスできませんでした。どうしても会いたい、と言う人は下記の宇宙軍に問い合わせてみるといいでしょう。野田さんは宇宙軍のイベントのゲストとして参加されることがあるようです。

宇宙軍(スペースフォース)に入隊したいのですが・・・

 キャプテン・フューチャーを語る上で忘れてならないのが宇宙軍の存在です。キャプテン・フューチャーが邦訳されている当時、用語集や人名事典、またカーティス・ニュートン誕生記念イベント等の際立った活動を続けてきました。しかし、残念ながら、このHP, "Edmond Moore Hamilton Bibliography"は宇宙軍とは何ら関係もない存在のため、宇宙軍には入隊できません。ウェブマスター自身もかつて十年前、宇宙軍の作成したキャプテン・フューチャーの研究書目当てという不純な動機で入隊させていただきましたが、イベントやミーティングに一度も参加しなかった不良隊員でした。誕生から20年(?)経た現在も宇宙軍は健在で、独自のホームページを開設しています。ファン活動開始時のメンバーは多分大学生が中心だったと思うが、その人たちもプロになったり、仕事勤め等で多忙な生活を送っているようで、大きな活動は12月のクリスマス・パーティー、(GWにセミナーやってたかも)、月例会だけのようです。興味ある方や、すぐにも入隊したい人は下記のURLにアクセスして下さい。

 宇宙軍のホームページ http://member.nifty.ne.jp/SPACE_FORCE/

 


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